2015年10月13日火曜日

芳ヶ平の紅葉を見に日本国道最高地点と渋峠へ行く

日本国道最高地点から見下ろした芳ヶ平の紅葉

「芳ヶ平(よしがだいら)に行きたいなあ…」

ぼんやりとそう思うようになったのは、2年くらい前に見た「フォトコンテスト2012 | 日本で最も美しい村」のグランプリ写真がきっかけ。
妖精がひそんでいそうなメルヘンチックな森の雰囲気に、一発でノックアウトされました。

■ラムサール条約湿地に登録された「芳ヶ平」とは

今年5月にはラムサール条約の湿地群に登録されたとか。
まずはラムサール条約とは何なのか、ちょこっとご説明。
ラムサール条約とは…
ラムサール条約は、正式名称を「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」といい、世界の湖沼や河川の流域、湿原や干潟、サンゴ礁など、淡水の流域環境や浅い海の自然(ウェットランド)を保全することを目的とした国際条約です。
現在の締約国数は162か国。締約国会議(COP)は、3年に一度開催されており、現在までにこの条約に登録された保全湿地の数は、世界におよそ2,000カ所にのぼります。
世界の湿地を守る「ラムサール条約」会議はじまる|黄海エコリージョン|WWFジャパンより

芳ヶ平湿原唯一の近隣宿泊施設である「芳ヶ平ヒュッテ」と「芳ヶ平キャンプ場」の住所は草津町なのですが、ラムサール条約に登録された芳ヶ平湿地群の大部分は中之条町六合(くに)地区に属しています。
そのため先日行った中之条ビエンナーレの会場のいろんな場所に、「ラムサール条約湿地群・芳ヶ平」などと書かれたのぼりが立っていました。
ちなみにこの中之条町六合地区と、一ヶ月前に中之条ビエンナーレでお邪魔した中之条町伊参(いさま)地区は、個別に「日本で最も美しい村」連合に加盟している数少ない自治体の一つです。

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そんな芳ヶ平には「草津白根レストハウス」から降りていくのが最短ルートでしたが、2014年に噴火警戒レベルが1から2に上がり、湯釜の1キロ圏内にあるレストハウスと駐車場が全面封鎖(草津白根山・湯釜周辺のハイキング最新事情2015)。

今は長野側の渋峠から下るか、湿地群の範囲内にある中之条のチャツボミゴケ公園、もしくは草津高原ゴルフ場のあたりから登るルートしかありません。

渋峠からは下りで1時間程度、チャツボミゴケ公園からはヤマレコ(チャツボミゴケ公園から芳ヶ平湿原 [山行記録] - ヤマレコ)などを見ると2、3時間、草津高原ゴルフ場ルートに至っては、町で配っていたパンフレットにさらっと記述があるくらいで、レコしている人もおらず不明…です。

そんなわけで、今のところ一番芳ヶ平に近いアクセスポイントである「渋峠」へ、草津を経由して行ってみました。

■県境の渋峠で珍百景を見物

草津温泉街から草津白根レストハウス・弓池前を泣きながら車で素通りし、芳ヶ平を見下ろす絶好のポイントである「日本国道最高地点」へと向かいます。
が、その前にトイレに寄りたかったので一旦最高地点前を通過して「渋峠ホテル」へ。


渋峠ホテル

ドライブインのような役割も果たしている渋峠ホテルの外観。
群馬・長野の県境に建っているのがわかりますね。面白い!
両県の特産品や地元野菜なども並んでいて、道の駅のような雰囲気もあります。
この施設では「日本国道最高地点到達証明書」を1枚100円で発行してくれるそうです。

渋峠ホテル内。群馬と長野の県境

渋峠ホテルのお食事処内部。ナニコレ珍百景で紹介されて見事珍百景に登録されたらしい、独特の味わいある風景。
喫茶と食堂の書体が違うのもある意味ポイントです。

渋峠ホテル(じゃらん)


■渋峠から少し戻って日本国道最高地点へ


日本国道最高地点へ

渋峠ホテルでナニコレな看板を見てから、再び群馬側の日本国道最高地点に戻ります。
紅葉オンシーズンの三連休初日だったので、狭い駐車スペースはずーっと満杯。
入れるかドキドキしましたが、休憩する場所もなく、石碑や芳ヶ平の写真を撮ったら退散する人がほとんどだったので、出てくる車と入れ替わりに車を停めることができました。

標高2,172m日本国道最高地点の石碑

日本国道最高地点の石碑。
この国道292号を走行中、数多くのヒルクライマーを見かけましたが、みなさんここを目指していたのでしょうか?
すごい執念です…
多くのヒルクライマーが石碑の前で自転車と一緒に記念撮影をしていました。
彼らにとっては「日本国道最高地点到達証明書」もある意味勲章になるのでしょうね。


日本国道最高地点の柵から芳ヶ平を見下ろします。
見渡す限りの大パノラマ!

真ん中に見える小さな池塘のあたりが芳ヶ平で、その奥の小さな赤い点が芳ヶ平ヒュッテの屋根だと思います。
さらに向こうの、もやの中に見える町並みは草津の温泉街でしょう。
天気があまりよくなかったため、例の「日本で最も美しい村」グランプリ写真にはかないませんが、満足のいく素敵な景色が拝めました。 


優しく穏やかな芳ヶ平の向こうには、荒涼とした火山の空気をたたえた草津白根山の姿が見えます。

優しく穏やかな芳ヶ平の向こうには、荒涼とした火山の空気をたたえた草津白根山の姿が見えます。
煙を見つめながら「山は生き物」という言葉が頭をよぎりました。

噴煙が立ち上る草津白根山

噴煙を拡大してみました。
ちょっとした地獄絵図ですね~。

紅葉にそまる草津方面の峠

万座三叉路から渋峠に向かう途中にはいくつか見晴らしの良い停車スペースがあります。
上の写真はそのうちの一つの駐車場から撮ったもので、草津方面の峠が紅葉しているのを見渡すことができました。
草津白根方面の紅葉は、これからが見頃の箇所もたくさんあります。
週末ぐらいまではもってくれそうなので、ぜひこの機会に渋峠や芳ヶ平へ足を運んでみてください。

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