2013年11月27日水曜日

平泉で初いわて南牛、初わんこそば

ご当地ブランド牛「いわて南牛」とラム肉の夢の競演

このブログでは、旅に関連して「なんともいえないほっこりした(もしくは奇妙な)心持ちになる」ことを“旅情”と表現している。

今回のみちのくの旅路で最初に感じた旅情は、前回の日記でも書いた、
「新幹線ヌードページ事件」平泉2012 中尊寺の紅葉に間に合う
なのだが、旅路を始める直前にも、ちょっとした旅情を感じた。

荷造りをしようとボストンバッグを整理していたら、一年前に行った中尊寺内にあるレストラン「かんざん亭」のレシートがポケットから出てきたのだ。


中尊寺かんざん亭のレシート

泊まりがけの旅行に出るのは先月の登山で行った山荘(雲取山荘)以来だったのだが、もちろん登山に持って行くのはバックパックだ。
「このかばんを使うのは一年ぶりなのか」としみじみし、「今年もかんざん亭に絶対行こう!」と思った。
たどりついたらいつも雨ふり@雲取山

昨年秋の旅程は平泉の中尊寺周辺や厳美渓が中心だったが、今秋の旅程は、

初日:夜、平泉入り→焼肉屋八つ花→友人宅
二日目:中尊寺→芭蕉館→猊鼻渓→居酒屋→平泉温泉→友人宅
三日目:平泉駅→気仙沼→群馬

このようなちょっと変わった日程で進めた。
三日目は旅程を共にした友人が仕事だったので、平泉から少し離れるが大船渡線(ドラゴンレール)で1時間半ほどかけて一人で気仙沼へ行くことにした。



いわて南牛とラム肉

初日夜はいきなり焼き肉で攻めた。
前回の平泉旅行でも焼肉店へは行っている。
記憶が曖昧なのだが「ソウル食堂」か「高粱(こうりゃん)」のどちらかで、おそらくソウル食堂の方だったと思う。
昨年はあいにく友人が一推ししていた一関や平泉で育った和牛ブランド「いわて南牛」の肉が品切れで、かわりにお店の人が薦めてくれたイベリコ豚(スペイン産)をしかたなく食べたのだが、このイベリコ豚が舌の上でとろけるほど絶品だった。
だがわざわざ岩手まで来てなぜイベリコ豚なのだという感じは否めない。旅情もへったくれもない。
今回こそはご当地ブランド牛「いわて南牛」を食べるのだ!
そう意気込んでいた。

今回行った焼肉店は毛越寺近くの「八つ花」。
入店したのは夜10時近かったが、なんとかお目当ての「いわて南牛」にありつくことができた。
憧れのいわて南牛は脂が乗りに乗っていて、やわらかジューシーでとにかく絶品だったが、友人が頼んだラム肉も相当旨かった。
このあたりでは義経つながりなのか、ジンギスカン料理が盛んらしいのだ。

しかも女二人でお会計が4500円だったことに心底驚いた。
友だちはビールを頼み、私は白米を一切食べず、いわて南牛、ラム肉、ホルモン、ミノなどの肉を中心に、二人とも歩けなくなるほどお腹いっぱい食べたにもかかわらず、一人当たりたったの2,250円だったのだ。
ブランド牛がこんな値段で食べられるとは予想もしていなかった。


かんざん亭へ向かう道中。中尊寺のイーハトーヴ

かんざん亭へ向かう道中にて。
昨年、宮沢賢治(岩手出身で猊鼻渓そばの砕石場勤務時代あり)のシルエットに似た人物を見つけて「イーハトーヴ」(賢治の想像上にある理想郷)を勝手に感じていた場所で今年も一枚撮影してみた。
木々が覆い重なっているのでこの部分の木はまだ紅葉していなかった(2013年11月16日時点)。


2013年のイーハトーヴ

同じ場所で撮影した昨年(2012年11月24日)の写真。
黒い帽子に黒いコートの人物が、なんだか宮沢賢治に見えなくなくなくなくなくない?
対談「宮沢賢治の銀河世界」
ほらほらこの感じ。




二日目は朝から中尊寺内をさらっと散策した。
本当はかんざん亭で昼食を頼むつもりだったのだが、友人の
「せっかくだし、わんこでいいんじゃない?」
との提案から、かんざん亭では朝のティータイムを過ごすことにして、昼食は平泉駅前の芭蕉館へ行くことにした。


標高1548mの焼石岳は早くも雪化粧をしていた

かんざん亭ではプレスコーヒーを頼んで二杯分のコーヒーをいただき、無料で提供されたかりんとう饅頭をほおばり、山座同定に見入って「秋田と岩手の県境、 焼石岳1,548m。そんなに高くない山なのにさすがは東北。もう雪化粧をしているよ。(´∀`*)ウフフ」などと旅情を楽しんだ。




初わんこそば24杯(24客?)


昼食は芭蕉館で初のわんこそばに挑戦。
天ぷら盛り合わせとフルーツ付きの盛り出し式わんこそば・特(2400円)を注文した。

一つのお盆に12客のお椀が乗っているものが二段になっているので、お椀は合計24客あり、お椀の中には一口程度ですすれる蕎麦が盛られている。
確かお盆一枚(12杯)分まではおかわり自由だったと思う。

わんこそばというと、お椀の中のそばをすすり終わると、後ろに立った給仕の人にすかさずおかわりをお椀に放り込まれる「大食い選手権」の様相を呈した食事のイメージがあったが、こちらのわんこそばはあらかじめ盛られたお椀を一つ一つ自分のペースで食べていく形だった。

さまざまな薬味、山菜、マグロ山かけ、いくら、なめこおろしなどがついているので一口一口が新鮮な味わいで、全24杯を飽きずにするっといただくことができた。
しかし前日の焼き肉店で動けなくなるほど満腹になってしまったので、今日は腹八分目にしようと友人ともども反省したのだが、その反省はここであまり生かされなかったことを報告しておく。

天ぷら、フルーツなしのわんこそばは1800円だが、天ぷら盛り合わせには海老も入ってお得感があるので、600円多く出してこちらを頼むことをおすすめしたい。
季節によっては干し柿の天ぷらがつくのだが、この天ぷらを口にした瞬間、味の予想がまったくつかなかったので、かなりびっくりした。


完食記念にお椀を重ねて一枚撮影。
お椀の赤が綺麗に映えた写真となったので、気を良くしてFacebookに載せたところ、気仙沼出身の友人から「このお椀は秀衡塗(ひでひらぬり)。有名なんだよ」と指摘された。
一緒にいた友人に「秀衡塗って?」と聞いたら、奥州藤原氏ゆかりの漆器で、かなり高級品らしく、お椀一客が10万円以上するものもあり、安いものでも何千円はするとの回答だった。
事前にそれがわかっていればこんなふうに重ねることもなかったと思う。
今度秀衡塗に出会ったら、もっと大事に扱わねば、と反省した。


昨年、同じく芭蕉館で食べた山かけそば。
今年のわんこそばの写真とを見比べてみると、残念ながら華はない。
やはり芭蕉館で食事をするなら、少し値ははるが「わんこそば」をおすすすめしたい。

芭蕉館のサイト→ 芭蕉館 岩手県 平泉 元祖盛り出し式わんこそば 

みちのく旅シリーズ



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